心筋梗塞

「突然の激しい胸の痛み…」それは心臓からのSOSかもしれません
〜心筋梗塞について〜MYOCARDIAL INFARCTION

「突然、胸に経験したことのない激しい痛みが走った」
「胸が締め付けられるような痛みが長く続いている」
「冷や汗が出て、吐き気もする…」

もし、あなたやあなたの大切な人が、このような症状に突然見舞われたら、それは心筋梗塞のサインかもしれません。心筋梗塞は、命に関わる非常に重篤な病気であり、一刻を争う緊急事態です。

今回は、心筋梗塞について皆さんに正しく理解していただき、万が一の際に迅速に対応できるよう、その症状や原因、そして何よりも大切な「もしもの時の行動」について詳しくお話しします。

心筋梗塞って、どんな病気?DISEASE

私たちの心臓は、全身に血液を送り出すポンプの役割を担っています。この心臓の筋肉(心筋)も、活動するために酸素や栄養を豊富に含んだ血液を必要としています。その血液を心筋に供給しているのが、心臓の表面を走る冠動脈(かんどうみゃく)という血管です。

心筋梗塞は、この冠動脈が完全に、あるいはほぼ完全に詰まってしまい、心臓の筋肉の一部に血液が全く届かなくなることで起こります。血液が届かなくなると、その部分の心筋は酸素不足に陥り、やがて壊死(えし:細胞が死んでしまうこと)してしまいます。一度壊死した心筋は元には戻らないため、心臓のポンプ機能が著しく低下し、命に関わる非常に危険な状態となるのです。

心筋梗塞の主な原因は、血管の内側にコレステロールなどが溜まって血管が硬く狭くなる動脈硬化が進行し、その動脈硬化によってできたプラーク(コレステロールの塊)が破裂し、そこに血栓(血の塊)ができて血管を完全に塞いでしまうことです。

命に関わるサイン!心筋梗塞の典型的な症状SYMPTOMS

心筋梗塞の症状は突然現れることが多く、非常に特徴的です。以下の症状に当てはまる場合は、すぐに救急車を呼ぶ必要があります。

激しい胸の痛み・圧迫感

「胸をえぐられるような」「胸が締め付けられるような」「胸の上に象が乗っているような」と表現されるような、これまでに経験したことのない激しい痛みが特徴です。

痛みは胸の真ん中あたりに感じることが多いですが、左胸だけでなく、みぞおちや背中、左肩、左腕、あご、歯、のどなどに広がることもあります(放散痛)。

狭心症の痛みと異なり、20分以上続くことが多く、安静にしても治まりません。 ニトログリセリンなどの薬も効きにくい傾向があります。

冷や汗・吐き気・嘔吐

激しい胸の痛みとともに、冷や汗が大量に出たり、吐き気や実際に嘔吐してしまうことがあります。これは、自律神経の反応によるものです。

呼吸困難・息切れ

心臓の機能が急激に低下するため、全身に十分な酸素を送れなくなり、強い息切れや呼吸困難を感じることがあります。

意識の混濁・失神

重症の場合、心臓のポンプ機能が極端に低下し、脳への血流が不足することで、意識が遠のいたり、失神してしまうこともあります。

不安感・死への恐怖

突然の激しい症状により、強い不安感や「このまま死んでしまうのではないか」という恐怖を感じることがあります。

【注意!】高齢者や糖尿病患者さんでは、典型的な症状が出にくいことも

高齢の方や糖尿病を患っている方の中には、神経障害の影響で痛みをあまり感じず、「なんとなく気分が悪い」「胃の調子が悪い」といった非典型的な症状しか現れないことがあります。このような場合でも、いつもと違う体の異変を感じたら、すぐに医療機関を受診することが大切です。

「もしも」の時、どうすればいい?緊急時の対応EMERGENCY

心筋梗塞は、発症から治療開始までの時間が短いほど、心臓へのダメージを最小限に抑え、救命率を高めることができます。

迷わず「119番」に電話する!

上記のような症状が一つでも現れたら、すぐに救急車(119番)を呼んでください。 「少し様子を見よう」「自分で病院に行こう」などと判断してはいけません。一刻も早く専門的な治療を開始することが、命を救うために最も重要です。

楽な姿勢で安静にする

救急車が到着するまでの間は、無理に動かず、楽な姿勢で安静にしてください。衣類を緩め、呼吸を楽にするように心がけましょう。

意識がある場合は、指示に従う

もし意識がある場合は、救急隊員の指示に従ってください。過去に処方されたニトログリセリンなどの薬がある場合は、指示があれば使用しても良いですが、自己判断は避けましょう。

心筋梗塞のリスク要因を知り、予防しようPREVENTION

心筋梗塞の主な原因である動脈硬化は、生活習慣と密接に関わっています。以下のリスク要因に心当たりがある方は、日頃から生活習慣を見直すことが大切です。

  • 高血圧症
  • 脂質異常症(高コレステロール血症)
  • 糖尿病
  • 喫煙
  • 肥満
  • 運動不足
  • 過度なストレス
  • 加齢
  • 家族歴(血縁者に心筋梗塞の人がいる)

これらのリスク要因を減らすことが、心筋梗塞の予防に繋がります。定期的な健康診断を受け、ご自身の体の状態を把握することも非常に重要です。

心筋梗塞後の生活と心大血管リハビリテーションREHABILITATION

心筋梗塞は、適切な治療によって命を救うことができる病気ですが、治療後も心臓の機能が低下したり、再発のリスクが残ることがあります。そのため、治療後のケアが非常に重要になります。

大分あべハートクリニックでは、心筋梗塞後の患者さんに対して、心臓の機能回復と再発予防を目的とした心大血管リハビリテーションを専門的に提供しています。

心大血管リハビリテーションでは、医師、理学療法士、看護師などが連携し、患者さん一人ひとりの状態に合わせた運動療法や、食事・生活習慣の改善指導、服薬指導、心理的なサポートなどを行います。これにより、心臓の機能を高め、体力を回復させ、安心して日常生活や社会生活に復帰できるようお手伝いします。

「もう二度と発作を起こしたくない」「以前のように活動できるようになりたい」という患者さんの思いに寄り添い、きめ細やかなサポートを提供いたします。

あなたの心臓の健康を、私たちにお任せくださいHEALTH

心筋梗塞は非常に恐ろしい病気ですが、そのサインを知り、迅速に対応することで、救命し、その後の生活の質を高めることができます。

もし、ご自身やご家族に気になる症状がある場合、また、心筋梗塞のリスク要因をお持ちで不安を感じている方は、どうぞお一人で悩まず、大分あべハートクリニックにご相談ください。

私たちは、皆さんの心臓の健康を守るために、専門的な知識と経験をもって、全力でサポートさせていただきます。

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