糖尿病

糖尿病とはABOUT

糖尿病は、体内での血糖(血中の糖分)の調節がうまくいかない疾患です。通常、食事から摂取した糖分は、体内で分解されてブドウ糖(グルコース)に変換され、それが血液中に取り込まれます。こうして血糖レベルは一定に保たれ、エネルギー供給源として細胞に供給されます。
しかし、糖尿病患者はこの血糖の調節に何らかの異常があって、高血糖の状態が続きます。
糖尿病は、「甘い物を食べすぎ」「肥満の人がかかる病気」「尿から甘い匂いがする」などのイメージを持たれる方も多いかと思います。
しかし、糖尿病という病気は、甘いものを食べすぎていなくても罹患する可能性があり、痩せている方も糖尿病と診断される場合があります。また、おしっこから甘い匂いがしなくても糖尿病になる方もいらっしゃいます。
糖尿病、そして血糖についての正しい知識を得ることで、病気への予防や対処法ができるようになります。

血糖とはBLOOD SUGAR

体内で食物からエネルギーに変える栄養素は、主に糖質・脂質・タンパク質の3つです。このうち血糖に関わるのが血糖です。
糖質は、インスリンと呼ばれるホルモンによってエネルギーに変換されますが、糖尿病を発症するとインスリンを十分に生成することができずに、正常に機能せず体内の血糖値が上昇します。血糖値が高い状態が続くと、代謝されずに血中に残ってしまった糖質(血糖)が、末梢神経や眼、腎臓などで異常を引き起こしたり、動脈硬化が進んで心筋梗塞や脳梗塞など命に関わる重篤な疾患を引き起こす恐れがあります。
一般的な血糖値の基準は、空腹時の血糖値が70〜100 mg/dLであり、食後2時間後の血糖値が140 mg/dL以下であることです。
糖尿病はこの基準値を維持するのが難しく、 血糖値が過度に高い場合(高血糖)、合併症のリスクが高まります。

糖尿病と透析の関係RELATIONSHIP

透析治療は、腎臓の働きが悪くなった場合に行う治療です。2021年に透析を受けた日本人の患者数は、約35万人近くという現状があります。これは、日本人のおよそ340人に1人の割合で透析治療を必要としているという驚くべき数字を示しています。
透析治療の中で最も多いのが、「糖尿病性腎障害」です。糖尿病性腎障害は、糖尿病の合併症によって腎臓に損傷を引き起こす病気です。進行性の腎臓疾患で、腎不全を引き起こす恐れがあります。
糖尿病は、初期のころは自覚症状が乏しく、気が付かないうちに進行しているということがあります。健康診断で血糖値を指摘されたら、精密検査を受けて糖尿病の予防や早期発見を行うことが大切です。
糖尿病は、生活に大きく影響を及ぼし、時には社会生活における活動の制限が必要となる可能性があります。
健康な生活を送るために、糖尿病についての理解と予防意識を高めることが重要です。

糖尿病のリスクRISK

初期の糖尿病は、自覚症状が乏しいため、ご自身で気が付かないことがあります。 糖尿病の症状とリスクは以下の通りです。

糖尿病の症状

  • 水分を飲む量が以前より増えた
  • 以前より食事量が増えた
  • トイレに行く回数が増えた
  • 慢性的な疲労感や倦怠感がある
  • 急な体重減少
  • 視力低下
  • 体の冷えやしびれ
  • 傷が治りにくい

上記の症状は、糖尿病が原因で起こっている可能性があります。糖尿病は、初期の症状がほとんどありません。自覚症状として現れているということは、すでに病気が進行しているということです。年に一度の健康診断で、糖尿病の検査を受けて病気の早期発見・早期治療を行うことが重要です。

糖尿病のリスク

神経のリスク

糖尿病が進むにつれて、神経が損傷して手足のしびれや痛みなどの症状が現れることがあります。自律神経の異常によって、胃腸や心臓、排尿機能に影響を及ぼすこともあります。

眼のリスク

糖尿病が進むにつれて、眼の奥の網膜に障害が起こる糖尿病性網膜症を発症する可能性があります。糖尿病性網膜症は、失明のリスクがあるので早期に治療を開始することが重要です。糖尿病を発症したら治療と併せて、眼科で定期的に検査を受けるようにしましょう。

腎臓のリスク

大分県では、単位人口あたりの透析患者数、新規導入患者数が全国の中で5番以内と高く、その多くを占める糖尿病性腎症に対しては特に注目して評価しています。糖尿病が進むにつれて、腎臓に影響を及ぼし機能低下することがあります。糖尿病性腎障害は、進行すると腎不全の恐れがあり、透析治療が必要な腎疾患です。

動脈硬化のリスク

糖尿病が進むにつれて、全身の血管のどこかに動脈硬化ができるリスクが高くなります。動脈硬化は、心筋梗塞や脳卒中といった命に関わる重篤な疾患を発症するリスクがあります。

糖尿病は、全身に影響を及ぼす可能性があります。糖尿病の発症は、遺伝、肥満、高血圧、脂質異常症、喫煙など様々な要因が考えられます。高齢の方や妊娠中の方も発症リスクが高くなるので、注意が必要です。

当院で行う糖尿病の診断方法DIAGNOSIS

糖尿病の診断は、「尿検査」と「血液検査」の結果で診断を行います。
糖尿病は、自覚症状が乏しいため、定期的な検査で早期発見することが大切です。

尿検査

血糖値が高いと、尿中に糖がでてしまうことがあるため、尿検査で尿の中に糖が含まれているかを調べます。
尿中糖から検出されたら、血液検査でさらに詳しく調べます。

血液検査

空腹時における体内の血糖値の値を調べます。糖尿病は、空腹時の血糖値が126mg/dL以上、もしくは平均血糖値を示すHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)が6.5%以上が診断の基準となります。
血液検査で血糖値が基準値を超えた場合は、別日に改めて再検査を行って2回連続で基準値を超えたら糖尿病と診断いたします。

当院で行う糖尿病治療TREATMENT

当院では、糖尿病と診断された方に適切な治療を行っております。
定期的な健康診断で血糖値を指摘された方はもちろん、他院から継続過料を目的として紹介を受けた方も対応しています。
最新の超音波検査機器を導入して、臨床検査技師が合併症の早期発見を目的とした検査を行っています。

患者様一人ひとりにあわせた治療計画を作成

糖尿病といっても、人によって症状や状態は様々です。また、様々な合併症のリスクも考えられるため、患者様それぞれの病態に合わせて最適な治療計画を立てることが重要です。当院では、薬物療法の他に、運動療法や管理栄養士による栄養指導も行っております。

生活習慣の改善を行っています

当院では、患者様の症状や状態に合わせて、管理栄養士による栄養指導レポートを作成いたします。
栄養指導では、糖質の摂取量や食事のタイミングなど続けやすい食事のアドバイスを行っています。
運動療法は、普段の生活の中で継続しやすい運動メニューをご提案いたします。

院内処方で最適なお薬を処方します

当院は、患者様の負担をなるべく少なくすることを目的として、院内処方を採用しています。
病院で薬を処方された後に、調剤薬局へ行く手間がなく会計も1度で済ませられます。院内処方は、院外処方と比べて料金も抑えられます。

スルホニルウレア薬、ビグアナイド薬など血糖値を下げるお薬、チアゾリジン薬などインスリン感受性を改善させるお薬、GLP-1受容体作動薬、DPP-4阻害薬などインクレチン作用を利用したお薬など、糖尿病の病状や患者様の体質に合わせて、適切な薬の処方を行っています。
定期的に行う検査で、数値を確認しながら適切な薬の継続と調整をおこなってまいります。

インスリン療法とフォローアップ

当院では、インスリン治療が必要な糖尿病の患者様に、適切なインスリン注射と指導を行っています。
インスリンには、速効型、中間型、長時間作用型などの種類があります。患者様の血糖値の数値や生活スタイルに合わせて最適なインスリン製剤を選択いたします。
定期的な通院の際に、血糖値を確認しながら、インスリンを注射するタイミングや量の調整などもサポートしています。
患者様が安心してインスリン注射が行えるように、丁寧な指導を心がけています。

糖尿病の予防PREVENTION

管理栄養士による食事の指導を行っています

糖尿病は、日々の食事に含まれる糖質の摂取量を適切にコントロールすることが重要となります。そのため、当院では管理栄養士による栄養指導を行っています。
食物繊維やたんぱく質を摂り入れ、糖質の量を制限することで血糖値のコントロールを目指します。
また、適切な体重を維持することによって、2型糖尿病のリスクを抑えることができます。健康的な体重を維持するための食事指導を行っています。

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