不整脈

不整脈ARRHYTHMIA

不整脈心臓は休むことなく収縮・拡張を繰り返しながら、全身に血液を送り届けています。心拍数や鼓動のリズムは電気的な刺激によって自動的に、そして規則的にコントロールされています。この刺激に異常が起こって脈が乱れると不整脈が起こります。特に治療の必要がない不整脈もありますが、重大な心疾患の症状として現れている可能性もありますので、不整脈に気付いたらまずは循環器科を受診してください。
動悸などの自覚症状がある場合もありますが、無症状の場合もあります。健診などでの心電図検査で異常を認められた場合は、専門科の受診が望ましいです。継続した治療が必要なものから、経過観察でよいものもあります。特に心房細動については、近年治療法が急速に発達しており、カテーテルアブレーション治療による根治が目指せるようになりました。当院でも、大分大学病院や大分岡病院などへ紹介し、多くの患者さんが治療を受けられています。

不整脈の種類TYPE

脈がゆっくり打つ徐脈、脈が速い頻脈、そして脈が不規則に打つ期外収縮に分けられます。不整脈は、自覚症状がまったくない場合もかなりあります。特に危険な期外収縮は自覚症状に乏しいため注意が必要です。

徐脈

脈拍がゆっくり打っている状態で、1分間に40回以下が徐脈です。心臓は電気的な刺激によって動いていますが、その刺激を発生させる場所の異常、あるいは電気の通り道に起こった異常によって生じます。

症状
  • ドキドキする
  • 動悸
  • 息切れ
  • 冷や汗
  • めまい
  • 意識消失

頻脈

安静時に1分間に120回以上と、脈拍が速い状態が頻脈です。運動や興奮などで、脈拍が速くなっているのは、頻脈ではありません。心臓を動かす電気刺激が異常に速いスピードで作られる、または電気の通り道に異常があって空回りしていることで起こります。

症状
  • フラつき
  • 息切れ
  • めまい
  • 意識が遠くなる
  • 失神

など

期外収縮

脈が飛ぶなど不規則な状態です。不整脈では一番多い症状ですが、心拍数や心臓の鼓動リズムが崩れるため、期外収縮があるのは心疾患(心筋梗塞・心筋症・弁膜症など)のリスクが高い危険な状態です。本来起こる場所ではないところから電気的な刺激が発生することで、脈が飛ぶ、余計に脈打つといった不規則な状態になっています。

症状
  • 脈が飛ぶ
  • 脈が不規則に乱れる
  • 胸のあたりの不快感
  • 胸の痛み

など

不整脈の原因CAUSE

心臓は1日に約10万回動いているとされており、規則正しくない電気刺激があると不規則に動いて不整脈を起こします。
病気による不整脈の場合、冠動脈疾患、心臓弁障害、心不全、先天性心疾患などの重大な病気の症状として不整脈が現れている可能性があります。
それ以外には、加齢、ストレス、睡眠不足、疲労、喫煙、過度の飲酒、カフェインの過剰摂取、熱い風呂やサウナ、自律神経の興奮などによって不整脈が生じることもあります。また、生活習慣病や肥満なども不整脈のリスク要因になります。

不整脈の診断DIAGNOSIS

安静時12誘導心電図検査

院内でベッドに横たわって行う検査です。手足と胸に電極を貼り付けて、12か所の心電図を記録します。

ホルター心電図

不整脈は一時的に起こることが多い症状です。そのため、院内で受ける限られた検査時間では、心臓の異常を正確に発見できない可能性があります。ホルター心電図は患者様が装着したまま24時間、普段通りの生活を送って、連続した心電図を記録します。これにより心臓の状態をより詳細に調べることができます。

運動負荷心電図

不整脈は安静時には現れず、運動などで負荷がかかった時にだけ現れるケースがあります。そのため、運動などで負荷をかけて計測するのがこの検査です。ベルトコンベア状の装置の上を歩く、階段を昇降する、自転車をこぐといった運動負荷をかけて心電図を記録して調べます。

心エコー、胸部レントゲン検査

心臓の弁や心筋の状態を詳細に調べて、心臓自体に病気がないかを確認するための検査です。心エコーは、超音波で心臓の収縮力、弁の動き、筋肉の厚み、心房や心室の大きさなどを調べることができます。

不整脈の予防・治療PREVENTION AND TREATMENT

不整脈を抑えて脈拍をコントロールする抗不整脈薬を主に使って治療します。状態によって、ペースメーカーや植込み型除細動器を導入する外科的治療が必要になる場合もあります。

徐脈治療

ペースメーカーを導入する治療法です。遅くなった脈の代わりに電気刺激を与える人工ペースメーカーと電線を植込んで徐脈を解消します。これにより、健康な時とほとんど変わらない生活が可能になります。

頻脈治療

抗不整脈薬や血液のかたまりを溶かす薬など、適切な薬を組み合わせて処方する薬物療法を行います。足の血管からカテーテルを入れて心臓に高周波を流す高周波カテーテル・アブレーションにより、異常な電気の発生抑止や異常な電気を通さないようにする治療を行うこともあります。
こうした治療では十分な効果が得られない場合には、ICD(植込み型除細動器)治療が必要です。ICDは心拍数が設定された基準を上回った際に頻脈を停止させる装置で、不整脈による突然死を予防するために導入されます。


AED(自動体外式除細動器)についてAED

AED最近、さまざまな場所に設置されるようになってきたAED(自動体外式除細動器)は、心臓がけいれんして血液が流れなくなった心室細動で倒れた人に電位ショックを与えて蘇生させるための装置です。AEDが自動的に心電図を解析して心室細動を検出すると、除細動を実施します。動作が自動化されていてわかりやすい図解があり、医療従事者ではなくても使用できます。AEDによって救急車が来る前に蘇生できたケースが報道されることで一般的にも知名度が上がってきています。経験がない方でも使えるようにできていますが、自治体などで使い方の講習会を受けられる機会が増えてきています。ご家族など身近な方が不整脈である場合、こうした講習を受けておくといざという時にも安心です。

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