虚血性心疾患

「もしかして、心臓病のサインかも?」
見過ごさないでほしい、胸の痛みや息切れHEART DISEASE

「最近、階段を上ると胸が締め付けられるように痛む」
「ちょっと動くと息が切れる」
「以前は感じなかった体の重だるさが続く」
「横になって寝ると苦しくなる」

…もし、このような症状に心当たりがあるなら、それはもしかしたら、あなたの心臓からの重要なサインかもしれません。

今回は、特に皆さんに知っていただきたい虚血性心疾患(きょけつせいしんしっかん)についてお話しします。虚血性心疾患は、心臓を養う血管である冠動脈が狭くなったり、詰まったりすることで、心臓に十分な血液(酸素や栄養)が届かなくなる病気の総称です。放っておくと、命に関わることもあるため、早期発見と適切な治療が非常に重要になります。

虚血性心疾患って、どんな病気?ISCHEMIC HEART DISEASE

私たちの体は、心臓がポンプのように働くことで、全身に血液を送り出しています。その心臓自体も、活発に動くために酸素や栄養を必要としており、それを供給しているのが冠動脈(かんどうみゃく)という血管です。

虚血性心疾患は、この冠動脈が動脈硬化などで狭くなったり、完全に詰まってしまったりすることで、心臓の筋肉(心筋)に血液が十分に供給されなくなる状態を指します。いわば、心臓の「酸欠」状態です。

この状態が続くと、心臓は正常に機能できなくなり、さまざまな症状が現れます。代表的なものとしては、狭心症(きょうしんしょう)と心筋梗塞(しんきんこうそく)があります。

こんな症状、見逃していませんか?虚血性心疾患のサインSIGN

虚血性心疾患の症状は、人によって、また病状の進行度によってさまざまです。しかし、共通して注意していただきたいサインがいくつかあります。

胸の痛み・圧迫感

「胸が締め付けられるように痛む」「胸の中央が重い」「胸を強く押さえつけられる感じがする」といった症状は、狭心症で最もよく見られるサインです。痛みは、体を動かした時や精神的なストレスを感じた時に現れやすく、安静にすると数分で治まることが多いです。しかし、痛みが肩や腕、顎、背中などに広がることもあります。

息切れ・呼吸困難

特に運動時や階段を上った時に、以前よりもひどい息切れを感じるようになったら要注意です。心臓の機能が低下すると、肺から全身に十分な酸素を供給できなくなり、息切れの症状が現れます。重症化すると、安静時にも息苦しさを感じるようになることがあります。

動悸・不整脈

心臓がドキドキしたり、脈が飛ぶような感覚がある、脈が速すぎたり遅すぎたりするといった症状も、虚血性心疾患のサインである可能性があります。心臓が酸欠状態になると、不規則な動きをすることがあります。

倦怠感・疲労感

以前は問題なくできていた日常動作で、すぐに疲れてしまう、体が重くてだるいといった症状が続く場合も注意が必要です。心臓が全身に十分な血液を送れていないと、体が常にエネルギー不足の状態になり、強い倦怠感や疲労感を感じることがあります。

むくみ

特に足首や足の甲がむくむようになったり、体重が増えていないのに体がむくむ感じがする場合は、心臓のポンプ機能が低下している可能性があります。

心筋梗塞のサインは緊急事態!EMERGENCY

特に注意が必要なのは、心筋梗塞の症状です。心筋梗塞は、冠動脈が完全に詰まり、心臓の筋肉の一部が壊死してしまう重篤な病気です。

  • 激しい胸の痛み(20分以上続くことが多い)
  • 冷や汗、吐き気、嘔吐
  • 呼吸困難
  • 意識の混濁
  • 顎や左肩、みぞおち、胃などの心臓周辺の痛み

これらの症状が突然現れた場合は、迷わず救急車を呼んでください。一刻を争う事態です。

どうして虚血性心疾患になるの?リスク要因を知ろうRISK FACTORS

虚血性心疾患の原因の多くは、動脈硬化です。血管の内側にコレステロールなどがたまり、血管が硬く、狭くなる状態を指します。動脈硬化を進行させる主なリスク要因は以下の通りです。

  • 高血圧症: 血管に常に高い圧力がかかることで、血管の壁が傷つきやすくなります。
  • 脂質異常症(高コレステロール血症): 悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が多いと、血管の壁に蓄積されやすくなります。
  • 糖尿病: 血糖値が高い状態が続くと、血管がダメージを受けやすくなります。
  • 喫煙: タバコは血管を収縮させ、動脈硬化を強力に促進します。
  • 肥満: 特に内臓脂肪が多いと、高血圧症や脂質異常症、糖尿病のリスクが高まります。
  • 運動不足: 生活習慣病のリスクを高め、動脈硬化を進行させます。
  • ストレス: 血管に負担をかけ、心臓病のリスクを高める可能性があります。
  • 加齢: 血管は年齢とともにしなやかさを失っていきます。
  • 家族歴: 親族に心臓病の方がいる場合、リスクが高まることがあります。

これらのリスク要因が複数重なることで、虚血性心疾患の発症リスクはさらに高まります。

早期発見・早期治療が、未来を守る鍵EARLY DETECTION

「このくらいの症状なら大丈夫だろう」「年のせいかな?」と自己判断して、受診をためらっていませんか? 虚血性心疾患は、早期に発見し、適切な治療を始めることで、重症化を防ぎ、健康な生活を長く続けることができます。

当院では、心臓のエキスパートとして、皆さんの心臓の健康を全力でサポートしています。もし、上記のような症状に一つでも心当たりがある方、また、高血圧や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病をお持ちで、心臓病のリスクが気になる方は、ぜひ一度、お気軽にご相談ください。

丁寧な問診と必要な検査を通して、あなたの心臓の状態を詳しく確認し、一人ひとりに合った治療プランをご提案いたします。必要に応じて、生活習慣の見直しや、薬による治療、さらには心臓の機能回復を目的とした心大血管リハビリテーションについても詳しくご説明させていただきます。

あなたの心臓の健康は、あなたの未来の健康そのものです。気になる症状があれば、決して無理せず、私たち専門家にご相談ください。

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